自動車のバッテリーはライト類やワイパーなどの電装品(自動車の電気関係の部品の総称)に使用する電力を供給し、また一番重要な役割としてはスターターモーター(自動車を動かし始めるために、点火プラグへ火花を飛ばす電力・エンジンを動かし始めるアシストをする部品)に電気を供給する役割を担っています。

バッテリーは充電式の電池で、放電と充電を繰り返すことで劣化が進み、そのまま使用するとライトが暗くなったり、クランキングのスピードが遅くなったり、最悪の場合はエンジンがかからなくなる状態となります。バッテリーの寿命は2~3年が目安。バッテリー性能の向上により劣化の症状がわかりにくく寿命が突然訪れることもあります。定期的な診断と交換をすることが突然のトラブル防止につながります。

交換時期の目安

  • バッテリーチェッカーでの診断で交換が必要と診断されたとき。

  • 2~3年毎(ただし、使用状況により寿命は変わります)

バッテリーの種類の説明をしたいと思います。

​補器バッテリーの基本的な働きは変わりませんが、一般的な乗用車に使われるバッテリーには、「開栓型」、「ドライ」、「メンテナンスフリー」、「アイドリングストップ車用」、「ハイブリッド車用補機バッテリー」の大きく5つのタイプがあります。

開栓型

「開栓型」は、多くのクルマに使用されているもっとも一般的タイプです。長く使用していくと内部に充填されているバッテリー液(希硫酸)が蒸発により減っていくので、定期的な点検が必要です。液の減りが確認できるようなら、カー用品店で販売されているバッテリー液(蒸留水または精製水)を充填します。

バッテリー液が不足したまま使い続けると、最悪バッテリーが破裂し火災につながることもあり危険です。しかし、現在市販されている製品は、昔と比べて液が減りにくくなっており、バッテリーの平均的な寿命(3~5年)まで液を補充しないケースもあるようです。

​ドライ

通常のバッテリーがバッテリー液の中に電極(金属)が浸されているのに対し、ドライバッテリーは電極にバッテリー液が染み込むように充填され、セル(小部屋)ごとに密閉されています。強力な充電式乾電池というイメージです。通常のバッテリーに比べて非常に軽量なことがメリットで、レーシングカーによく利用されています。反対にデメリットは、非常に高価であること。

メンテナンスフリー

メンテナンスフリーバッテリー(密閉型)は、名前の通りメンテナンス(=点検)を不要としたもの。気密性が高く、バッテリー液の減りがほとんどないので、液の減りを気にすることなく寿命まで使用できます。メンテナンスフリーバッテリーはここ最近の主流でもあり、輸入車や高性能車、ハイブリット車やEV(電気自動車)によく搭載されています。

アイドリングストップ車用バッテリー

停車時にエンジンを停止し、燃料消費と排ガスの排出量を抑えるアイドリングストップ機構を搭載したクルマが増えてきました。バッテリーもこの機構に合わせたものを選択する必要があります。

電気を使用するものに共通することですが、スイッチをONにした瞬間は多くの電力を使います。アイドリングストップ車も同様で、エンジン始動のたびに多くの電力を必要とします。エンジン停止中もエアコンやカーナビ等の電装品は動作しているので、大容量かつ素早い充電性能のバッテリーが必要になります。

ハイブリッド用補器バッテリー

「補機バッテリー」は、ガソリン車のバッテリーに相当する役割をするもので、システムの電源やECU(コンピュータ)、カーナビをはじめとした車内のさまざまな機能装備に電力を供給します。これがないとハイブリッド車は動かせません。そのため、通常のバッテリーと比較して大容量で、価格も高め。通常のバッテリー以上に、バッテリー上がりを起こすと著しく劣化するので注意が必要です。

近年はハイブリッド車も多くなってきましたね。ご存知の方も多いと思いますが、ハイブリッド車には役割の違う2つのバッテリーが

搭載されています。

1つ目は「補機バッテリー」これはガソリン車とほぼ同じ働きをするバッテリーと言えます。ガソリン車はこのバッテリー1つだけが搭載されています。
2つ目は「駆動用バッテリー」これは、ハイブリッドカーならではの物で、大きさも何倍もあり電圧も高い特殊なバッテリーになっています。

 

代表的なトヨタのハイブリッドカー「プリウス」のバッテリーを例として説明しましょう。

​プリウスはバッテリーの数だけではなく、それぞれのバッテリーの役割にも違いがあります。

●補器バッテリー(12V)

 このバッテリーはガソリン車のエンジンルームに積まれているバッテリーとほぼ変わらないという事は上にも書きましたが、プリウスの場合は補器バッテリーがトランクに積まれている事、ガスを車の外に逃がすためのチューブがついている事はガソリン車のバッテリーと違うところになります。

※車のバッテリーは鉛電池なので、電気を発生させる際に水素ガスが生じます。普通の車はエンジンルームにバッテリーが積まれ、車内と分かれているのですが、プリウスの場合トランク、つまり車内にあることになるので、車内にガスが充満しないようにチューブを付けて外にガスを逃がしている訳です。

 

●駆動用バッテリー(高圧)

​ 駆動用バッテリーは、文字通りモーターを駆動して車を走らせるのがメインの役割です。
ハイブリッド車の場合はエンジンの始動も駆動用バッテリーです。プリウスの場合走っている最中にもエンジンを止めたりかけたりするのでこのバッテリーは非常に大切な役割があります。

そして、駆動用バッテリーを充電する仕組みが必要です。この充電の仕組みがある事が、普通の車との決定的な違いと言ってよいでしょう。

このバッテリーの充電を効率的に行う為に回生ブレーキと呼ばれる賢いブレーキがあり、回生ブレーキは減速時のエネルギーを回収して、電気エネルギーとして駆動用バッテリーに充電します。

必要な時には、走行中でも停止中でもエンジンの力でモーターに発電させて充電し、加速時には、その貯めた電気でモーターを回す事でプリウスの燃費を支えています。

 駆動用バッテリーのもう1つの役割として、補機バッテリーへの電力供給があります。ハイブリッドシステムが起動してからは、駆動用バッテリーは補機バッテリーに電力を供給しています。なので、エンジンが止まっている時に(レディ状態の場合)、ナビのテレビなんかを長時間見ていても、補機バッテリーが上がる事はありません。そして、駆動用バッテリーの充電量が少なくなってきたら、またエンジンが掛かって充電を始めます。

​以上のようにプリウスは2つのバッテリーを上手に使い分けて、その走りや良い燃費を支えています。

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